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同じ地域にいる人たちが純粋無垢な気持ちで語り合える場に。港区の移動式スナック無垢がFLAT BASEで開催されました。

2023年5月16日(火)、東京都港区を拠点にしている移動式スナック『無垢』がFLAT BASEで開催されました。今回で4回目の開催となるスナック無垢。年齢や職業などさまざまな人たちが参加する中、リーダーとして奮闘するドリーこと山内さんに、立ち上げの経緯やこれからについてインタビューしました。 

共通の想いを持った地域の人たちが、繋がることのできる場を作りたかった

-スナック無垢を始めたきっかけを教えてください。 

2022年9月、港区芝地区と慶應義塾大学のグローバルセキュリティ研究所が主催する、『ご近所イノベーター養成講座』に参加したことがきっかけです。この講座は、“やりたいことをまちにつなげる技法”を学ぶ実践型の講座で、『スナック無垢』はそこから生まれたプロジェクトです。「同じ地域にいる人たちが、世代や職業の垣根を超えて繋がることができる場を作りたい」という想いのもと、2022年10月にスタートしました。地域のお店や場所が賑わってもらえるよう、あえて移動式という形をとっています。これまでお花屋さん、酒屋さんなどで開催しました。 

スナック無垢のリーダーである山内翠さんは、港区出身の2000年生まれ。大学卒業後は、世田谷区尾山台にある地域のコミュニティスペース「タタタハウス」のコミュニティマネージャーとしても活動している
スナック無垢のリーダーである山内翠さんは、港区出身の2000年生まれ。大学卒業後は、世田谷区尾山台にある地域のコミュニティスペース「タタタハウス」のコミュニティマネージャーとしても活動している

-ご近所イノベーター養成講座に参加したのはなぜですか。 

私はもともと“繋がり”というものを大切にしていました。大学1年生のとき、立て続けに人が無差別に傷つけられる事件があり、まだ生きたいと思っていた人が突然、知らない人から命を奪われてしまうことに憤りを感じました。私なりにいろいろと考えた結果、自分の人生や命を大切にしていないから、他者のことを傷つけてしまうのではないか。自分の人生を大切にするためには、周りに自分のことを受け入れてくれる人がいるか、理解してくれる人がいるか、そういったことが大事なのではないかという考えに至りました。 

そうするためにはどんな繋がりが必要なのか、どのように作っていけばいいかを模索していたとき、たまたま図書館で『ご近所イノベーター養成講座』のチラシを見つけて、なんとなく参加してみたところ「これだ!」と思いました。地域にはさまざまな肩書きの人たちが集まっていて、地域という同じ共通項を持って繋がれる。元々まちづくりに興味はなかったのですが、講座への参加をきっかけに、地域での活動に可能性を感じました。  

自分の正直な気持ちを大切にしたかったので、なんとなく就職することをやめた

- 世田谷区尾山台にある「タタタハウス」でも活動されているのですよね。 

はい、コミュニティマネージャーとして携わらせてもらっています。ご近所イノベーター養成講座でモデレートをしている坂倉先生が、タタタハウスに研究室を持っていて、大学在学中に伺ったことがきっかけです。「4月からどうするの?」という話になり、それから『タタタハウス』で働くことになりました。 

 

就職活動をしていた時期もあったのですが、いま、私の中で目指したい社会像というものがあって、そこに向かって活動していく中で、自分で納得がいくような選択をしていけると感じていて。だからこそ、なんとなく就職するというのは違うし、自分の正直な気持ちを大切にして、まずは目の前のことを頑張っていきたいと思ったので企業への就職はしませんでした。 

あえてコンテンツを詰め込まず、自由に話せる雰囲気を作っている

-スナックでは、具体的にどのようなことをしているのですか。 

地域にあるお店の使われていない時間を借りて、地域で過ごしている人たちが、自分の人生について、やりたいことについて、仕事についてなど、さまざまな話ができる場づくりをしています。スナックに代わるいい言葉があったらとは考えてはいるものの、まだ見つかっていないので一旦はスナックにしています。 

 

参加者には、ご近所イノベーター養成講座の卒業生をはじめ、港区に住んでいる方、港区で働いている方、運営メンバーの知人などがいます。もちろん初対面の方もいらっしゃるので、その場にどんな人がいるかが分かるように、参加者全員の自己紹介からスタートします。また、皆さんが過ごしたいように過ごせることを大切にしているので、あえてコンテンツを詰め込まず、自由に話ができる時間を多くとっています。 

参加した人の想いが湧きあがり、その姿を見た人が自分も頑張ろうと思える場に

- 今後、スナックはどのような場所を目指していますか。 

参加した方の“根っこにある想い”が、湧きあがってくるような場になったらいいなと。実際、スナックに参加された方の中で「映画を撮ってみたいと思っている」と話されている方がいました。スナックに参加することで、やりたいことが湧きあがって、その人が走り出す。そして、その姿を見た人が自分も頑張ろうと思える。そうやって、誰かの火種が他の人の火種になったらいいなと。実は先日のスナックで発表したのですが、焚き火のように点火するという“ぱちぱち”と、挑戦を応援しあう拍手の“ぱちぱち”2つの意味を込めて、スナックの名前を「ぱちぱち」に改名しました。 

 

現在はまだまだ小規模ですが、今後はもっと規模を広げて、港区に住んでいる人たち、港区で働く人たちがさらに繋がっていけるような場にしていきたいです。また、場所を提供していただいている方たちにも還元できるよう、しっかりビジネスモデルを作って事業化していきたいです。 

■スナック無垢改め、「スナックぱちぱち」についてはこちらから 

Peatix(イベント情報): https://peatix.com/group/11715898 

Instagram:https://www.instagram.com/pachi_8pachi/